2020.04.03
糖尿病とはすい臓で作り出されるインスリンが十分に働かないために、血液中に流れる血糖が増えてしまう病気で、放置したままにしておくと、血管が傷つき将来的に心臓病や、失明、腎不全、足の切断といった重い病気に繋がる怖い病気です。
歯科においても、糖尿病の方は、歯周病になりやすいことがわかってきています。また、歯周病になると血糖のコントロールが悪くなると言われていて、糖尿病とお口のケアというものは密接に関係しています。
これは、なぜかというと歯周病が進んでいる方は、深い歯周ポケットが存在します。歯周ポケットからは炎症に関連した化学物質が流れ出してしまい、体の中で血糖値を下げるインスリンを効きにくくします。そのため糖尿病が発症、進行しやすくなります。
歯周ポケットが深い中程度以上の歯周病になってしまうと、その総面積が手のひらぐらいの広さなります。
手のひらサイズの出血や膿が治療も行わず放置されたままであるということは、健康に良いわけではないことはよくわかるかと思います。
歯周病の治療で歯周ポケットの改善をしていくと、糖尿病における血糖のコントロールも改善されていくことになるという研究結果も報告されています。
では、歯周病の治療とは具体的にどういうものかというと、歯科医院でにおいては歯石取りがメインになります。
歯石は歯ぐきの上の部分についている歯石を「縁上歯石」といい、歯ぐきの下の部分についている歯石を「縁下歯石」といいます。
縁上部分の歯石はを1,2回で除去していきます。軽度の歯周病の方は歯石取りはこれで治療は終わりになります。
中程度以上の歯周病の方は、それから縁下部分についている歯石を4回~6回に分けて取っていきます。
歯周病が重度になってくると、縁下部分の深い部分に歯石がこびりついていることが多く、これまでの歯石取りで取り切れなかった場合は、歯周病の手術が必要になります。
もちろん、歯科でのケアも大切ですが、ご自身のセルフケアが一番大切です。
当医院では、治療が終わったかたは、3ヶ月毎のメンテナンスをお勧めしています。
糖尿病も歯周病も生活習慣病だと言われています。生活が不規則で、なかなかお口のケアまで手が回らないことあるかと思います。
歯ぐきから血が出るなど、ちょっとした異変に気がつかれたら、それは歯周病のサインかもしれません。