いなば歯科クリニック

福岡市早良区/口コミで評判の歯科医院いなば歯科クリニック

〒 814-0032
福岡市早良区小田部5-8-1

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診療時間
09:00 ~ 13:00//
14:00 ~ 18:30//

※休診日:祝※ ▲土 午後14:00~17:00
※ 金 午前9:00~12:30 午後14:30~18:30
(第3金曜日は17時まで)

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歯髄を守る理由

「歯髄」は、歯の最も内部にある神経や血管がある部分のことです。
歯に加わる様々な刺激を感じる感覚機能だけでなく、虫歯菌を防ぐ防御機能もあります。
歯科医が、「歯髄を守る」「歯の神経を残す」理由は、歯髄が歯の寿命に大きくかかわるからなのです。

歯を失う原因には、歯周病や虫歯などもありますが、最も多い原因は歯根破折です。歯根破折とは、歯にヒビが入ったり割れたりする症状です。
歯根破折のほとんどは過去に虫歯などの原因で、神経を取る処置がされています。神経を抜いたり歯の根の治療をされた歯は、健康な歯と比べて歯根破折になりやすいのです。

歯を失う2番目の原因は歯の根の病気です。
1番目2番目の原因を合わせると、7割以上が神経のない歯です。
歯を失わないためには、歯髄を守ることがとても大切なのです。

神経を守るMTA覆髄治療(歯髄保存治療)

※ 現在、初診のMTA覆髄治療(歯髄保存治療)の予約可能時間は、平日10:00~17:30となります。

神経を残す治療歯髄まで虫歯菌が進行すると重度の虫歯です。そうなると、歯髄を保護する処置が必要になります。

当院では、MTA覆髄治療という、神経を守る治療を行っています。
通常の治療では、水酸化カルシウムによる治療で歯髄を守りますが、成功率が低く、結果的に神経を取る処置が必要になることも多くあります。

しかし、MTA覆髄治療では、ケイ酸カルシウムを主成分とした治療法で、従来の治療よりも高い確率で神経を残すことができます。 MTA覆髄治療では、最適な材料を使用することはもちろん、歯髄に刺激を与えないように虫歯を取り除く治療過程がとても重要になります。

当院では、虫歯に色を付け、健康な歯は削らず虫歯だけを取り除きます。拡大スコープ、低速ドリル、手用器具などを使い、虫歯を少しずつ慎重に取り除きます。治療前には麻酔をしますので、痛みが苦手な方もご安心ください。

MTAとは?

MTAセメント(プロルートMTA)は、1993年に米国ロマリンダ大学のDr.Mahmoud Torabinejadらにより歯科材料として開発されました。
1998年に欧米各国で発売され、日本でも2007年から多数の症例に使用されて高い臨床評価が得られています。
ケイ酸カルシウムを主成分とするMTA(Mineral Trioxide Aggregate)は、生体親和性や封鎖性、石灰化促進作用、デンティンブリッジ形成能、細胞反応活性化促進作用、抗菌性に優れた革新的な材料です。
当院のMTA覆髄治療では、プロルートMTA(Pro Root MTA)など複数の材料を症例に合わせて選択しています。

MTA覆髄治療の流れ

主訴
歯が痛い
治療方法
虫歯治療&MTA覆髄治療
治療期間
約1週間
リスク
歯の状態によっては、抜髄処置が必要になる場合があります。

STEP1

神経を残す治療エックス線検査で、金属の詰め物の下に虫歯が深く広がっています。
詰め物を取り除き染色すると、虫歯が青黒くなります。
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STEP2

麻酔後に虫歯を少しずつ慎重に取り除きます。
歯髄が露出する可能性があるため、歯髄が感染しないように虫歯を完全に取り除き、洗浄・消毒を行います。
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STEP3

神経を残す治療消毒後、MTAセメントで慎重に歯髄の露出部分をふさぎ、歯髄の近い部分もカバーしていきます。
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STEP4

神経を残す治療経過観察後、自然な歯の形に改善しました。

MTA覆髄治療のメリット

歯髄を残せる

通常では神経を取るケースでも神経を残せる可能性があります。

歯を削る部分を最小限にできる

歯の根の治療をしなくてもよいので、歯を削る量を最小限にできます。

歯の寿命を延ばせる

歯髄を守ることにより、歯を失う原因である歯根破折や歯の根の病気になりにくく、歯の寿命を延ばせる可能性があります。

治療費用を抑えることができる

歯髄を守ることにより、歯の根の治療費用、高額な被せ物の費用がかかりません。神経のない歯は、時間の経過とともに歯の根の治療や被せ物の作り直しが必要になったり、抜歯をした場合はブリッジやインプラントなどの治療が必要になったりします。
生涯にわたり発生するこれらの治療費用は、MTA覆髄治療で歯髄保存ができれば必要ありません。

治療上の注意点

MTA覆髄治療は症状が限られている

MTA覆髄治療は、非感染生活歯髄(C2)が対象です。冷たいもので少ししみる虫歯は対象となる可能性があります。何もしなくても痛む、温かいもので痛むなどの炎症歯髄や感染歯髄(C3)はMTA覆髄治療ができません。
MTA覆髄治療ができるかできないかは、虫歯の状態を直接確認して判断する必要があります。

歯髄を守れない場合がある

MTA覆髄治療は、従来より高い確率で歯髄を保存できる治療法です。しかし、歯の状態によっては、歯髄保存治療後に歯髄の炎症等により神経を抜く処置が必要になる場合があります。
MTA覆髄治療の予後については、それぞれのケースで診断時や治療時の歯の状態確認後により具体的にご説明します。

治療直後に歯がしみる場合がある

MTA覆髄治療の直後は、処置の刺激で一時的に過敏になっているので、冷たいものなどでしみたり痛むことがあります。徐々に軽減・消失していきます。

歯科医の技術や診断が重要である

歯科医の虫歯の除去方法や診断が治療結果に影響します。

保険適用外の治療である

MTA覆髄治療は、保険適用外の治療です。