2022.12.13
以前は、虫歯が大きく神経まで達していた場合は痛みが出てしまうため神経を取るしかありませんでした。しかし、神経を取った歯というのは栄養源を絶たれた枯れ木のような状態になってしまいます。そして、歯には日々強い咬合力が加わるため、年数が経った時に歯が折れてしまう事がよくあります。そのような事情から、神経を取ると、歯の寿命は20年落ちると言われています。
そこで、近年は神経が出てしまった場合でも神経を残す治療が可能なお薬がでました。MTAセメントというお薬です。これを使えば必ず残せるというわけではありませんが、かなりの確率で残す事が可能です。
稀にお薬を使っても神経が死んでしまう場合がありますが、そのような場合はレントゲンを撮ると、根の先端に黒い像が映るため、術後はレントゲンを定期的に撮りながら経過をみていきます。
保険適用のお薬ではないため、それなりに費用はかかりますが、歯がもし折れてしまった場合は抜歯になってしまうため、それで歯の寿命を伸ばせるのであれば決して高くはないと思います。
虫歯で歯が痛み出した時はだいたい歯の神経まで虫歯が到達した時です。小さいうちに見つけて治療してあげれば、大きな治療は必要なく簡単に治療を終わらせる事ができます。そのような状態を自分で見つける事は大変難しいですので、定期検診を受け、一年に一回程度はレントゲンも撮っておくと安心です。
必ずしも全ての症例に適用できるわけではないのですが、興味がある方は一度ご相談ください。
福岡市 早良区 小田部 院長 稲葉 健一郎