2020.11.27
虫歯を抑制する作用の中で、特に重要な役割を果たすのが”pH緩衝作用”と考えられます。
虫歯はプラーク中の糖質が取り込まれ、その中でミュータンス菌などが糖質を代謝し酸を作り、歯を脱灰します。
しかし、唾液中の重炭酸塩が酸生成の初期段階よりプラーク中に侵入してpH緩衝能を発現し、酸による脱灰を抑制する効果があります。
安静時には唾液中の重炭酸塩の濃度が低く、pH緩衝作用は期待できません。食後の安静時に虫歯が進行することを考慮すると、酸の生成初期に刺激時の唾液による緩衝作用でpHの低下を抑え、その状態を持続することが必要です。
バイオフィルム化したプラークを唾液で完全に洗い流すことは困難で、プラーク中の酸生成は数分以内に完成しているため、食後数分でうがいや歯磨きをしたとしても、酸の脱灰は始まっています。なので自浄・洗浄作用の効果よりもpH緩衝作用の方が力を発揮すると考えられています。
早良区 小田部 いなば歯科クリニック