いなば歯科クリニック

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虫歯はどうやって起きる?

2025.05.23

 

虫歯のリスク因子は「バイオフィルム(歯磨き)」「フッ化物」「糖(飲食)」「酸」「ドライマウス(唾液)」の5つです。

バイオフィルムについて

バイオフィルムは歯磨きの際の磨き残しのプラークのことをすなわち「バイオフィルム」と呼びます。歯の表面についている磨き残しのプラークを単なる汚れと思っている方が多いかもしれませんが、それは「細菌の塊」です。プラークには1mgあたり2-3億もの細菌が含まれています。バイオフィルムは歯磨きをしていない、あるいは歯ブラシが当たっていない歯面ではバイオフィルムが成熟していきます。清掃後約1日でバイオフィルムが形成され、約1週間かけて成熟していくといわれています。そして、バイオフィルムが形成されて日数が経っていくと、バイオフィルムのPHが徐々に下がって酸性の方に傾きます。その酸が歯を溶かして虫歯になります。つまり、プラークのないところには虫歯はできません。成熟したバイオフィルム内には薬剤が届きにくいため、歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシなどで機械的に除去することがとても大切です。

フッ化物について

フッ素は天然に存在する元素の一つです。歯科において、フッ化ナトリウムなどの様々なフッ化物が虫歯予防のために用いられています。しかし、フッ素やフッ素入り歯磨き粉を体に良くないと疑う人は少なからずいると思います。私たちがよく口にするお茶や野菜フルーツ、魚、肉、水などにフッ素が含まれており、世界保健機関(WHO)は身体に欠かすことのできない必須栄養素に定めています。フッ素は口腔内に常に存在する状態であることが虫歯の進行を遅らせるのに重要です。実際にフッ素の登場で世界の虫歯は半分に減少しました。フッ素はどの世代にも「虫歯の治療薬」として効果があることが分かっています。そしてフッ素を取り入れることで大きな虫歯予防効果を得ることができます。フッ素を常に口の中に存在させるためにはどのようなことをすればいいのでしょうか?臨床におけるフッ化物の応用は①セルフケアでの応用②プロフェッショナルケアでの応用  セルフケアでの応用はフッ素入り歯磨き粉や洗口剤を使用することです。またフッ素入りでも濃度の高い歯磨き粉を使用すると効果大で、年齢に応じて1000ppm-1450ppmのフッ素入り歯磨き粉を用いるのが良いです。プロフェッショナルケアでの応用は歯科医院での高濃度のフッ素塗布を行うことです。セルフケアで使用するフッ素は口腔内に残ったバイオフィルム内に日々フッ化物をを供給するため、プロフェッショナルケアで使用するフッ化物はカリエスリスクが高い歯にフッ化物を供給するためにフッ化カルシウムを溜めておく貯金箱のような役割を果たします。

糖の摂取について

糖の摂取に関しては、量よりも回数の増加のほうが重要なリスクといえます。食事や間食などで糖を摂取する回数が多いと歯の脱灰時間が長くなり虫歯のリスクが高くなります。ジュース、あめ、グミは長時間口の中にあり歯がダラダラ溶けるので注意が必要です。そして、食事と間食を合わせて1日4回までであれば虫歯の発症が少ないことが研究結果で出ています。

 

酸の摂取について

口腔内は通常PH7の中性となっており、エナメル質が溶けるPHは5.5   象牙質や幼若永久歯のPHは6とされています。しかし私たちの日常生活はこれより低いPHの飲食物がたくさんあります。例えばコーラはPH2.7 お酢はPH2.8です。PHは数値が低いほど酸性が強くPHが1下がると酸性度は10倍強くなります。虫歯にかかわる細菌が出す酸は強くてもPH 4程度なので、コーラはその10倍以上強い酸だということになります。コーラに歯を漬けた写真。

 

 

唾液が出ないとどうなるの?

唾液の減少は虫歯の「極度のリスク」とされています。ドライマウスは65歳以上の30%にみられます。唾液の量は多少減った程度では見た目では分からず、患者さん自身も通常の分泌量の半分程度まで減少しないと自覚できません。ドライマウスは虫歯の高いリスクであるにもかかわらず、問診で発見するのは困難である為、唾液量の計測が必要なのです。そして高齢の患者さんの問題である根元の虫歯も唾液の量が影響していると考えられます。

唾液の量が少ないとなぜ虫歯のリスクが高まるのか?

唾液の作用は

①イオン貯蔵作用 歯の成分であるリン酸イオンとカルシウムイオンを貯め込み、脱灰した歯に戻して結晶化し再石灰化を促す作用。

②浄化作用 唾液には口に入ってきた糖を洗い流す作用もあります。唾液の量が正常ならば唾液中の糖の濃度は約2分で半分になります。

③緩衝作用 酸を中和にする作用。唾液中の重炭酸、尿素、リン酸、タンパク質には酸を中和にする働きがあります。そのなかでも、重炭酸イオンが多大な貢献をしており、唾液から重炭酸イオンを取り除くと緩衝作用はほぼ水と変わらないとされています。唾液の量が少ないと重炭酸イオンも減少するため、唾液による緩衝作用が低下し虫歯になりやすくなるのです。

参考文献 カリエスコントロール