福岡市早良区/口コミで評判の歯科医院いなば歯科クリニック
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自分の歯でしっかり噛めていますか?~噛む力と認知症の関係~
2026.07.26
歯の本数と認知症の関係
「年齢を重ねると歯が抜けるのは仕方ない」と思っていませんか?
近年、日本をはじめ世界中で行われた研究では、
残っている歯の本数が少ない人ほど、認知機能が低下しやすい傾向
が報告されています。
もちろん、「歯が少ないから必ず認知症になる」というわけではありません。認知症には加齢や遺伝、生活習慣病、運動不足、睡眠不足などさまざまな要因が関係しています。
しかし、「歯を失うこと」と「認知症」の間には関連がある可能性が示されており、お口の健康管理も認知症予防の一つとして注目されています。
歯が少なくなると、噛む力が低下するだけでなく、食べる楽しみや会話の機会が減ることもあります。こうした身体的・精神的な変化が積み重なり、認知機能に影響する可能性があると考えられています。
私たちは食事をするとき、毎日何気なく噛んでいますが、この「噛む」という動作は脳にとってとても重要です。
噛むことで顎の筋肉が動き、脳への血流が増加すると考えられています。特に、記憶や学習をつかさどる「海馬」などの働きが活性化することが報告されています。
反対に、噛む回数が減ると脳への刺激も少なくなり、認知機能への影響が懸念されています。
お口の健康を保つことは、脳の健康を守ることにもつながると考えられています。
歯を失うことで起こる悪循環
歯を失うと、「食べにくくなるだけ」と思われる方も少なくありません。しかし、歯を失うことは食事だけでなく、お口や全身の健康、さらには生活の質にもさまざまな影響を及ぼす可能性があります。
まず、歯が少なくなると噛む力が低下し、硬いものや繊維質の多い食品が食べにくくなります。その結果、肉や魚、野菜、果物などを避けるようになり、やわらかい炭水化物中心の食事になりがちです。脳の健康を維持するためには、たんぱく質やビタミン、ミネラルなどの栄養素が欠かせません。栄養バランスが偏ることで、筋力や免疫力の低下を招くこともあります。
また、十分に噛めなくなると、脳への刺激も減少すると考えられています。噛むことは脳の血流を促し、記憶や学習に関わる部位を刺激するとされているため、噛む機会が減ることは認知機能にも影響を及ぼす可能性があります。
さらに、歯を失ったまま放置すると、
①残っている歯に過度な負担がかかる
*一部の歯だけで噛むようになり、歯の寿命を縮める原因になる
②隣の歯が倒れてくる
*歯がないスペースに向かって傾き、歯並びが乱れる
③噛み合っていた反対側の歯が伸びてくる(挺出)
*噛み合う相手を失った歯が伸びてしまい、さらに噛み合わせが悪くなることがある
④噛み合わせが乱れる
*食事がしづらくなるだけでなく、顎にも負担がかかる
⑤片側だけで噛む癖がつく
*顎の筋肉のバランスが崩れ、顎関節症や肩こりにつながることもある
⑥顎の骨(歯槽骨)が痩せる
*歯を支えていた骨は噛む刺激がなくなると徐々に吸収される
骨が痩せると、将来インプラント治療が難しくなったり、入れ歯が合いにくくなったりする
場合がある
⑦発音しにくくなる
*特に前歯を失うと、「サ行」「タ行」などが発音しづらくなることがある
⑧見た目が変化する
*歯を失うことで口元がへこんだように見えたり、顔のしわが目立ちやすくなったりすること
がある
これらのようなことが続くと新たなむし歯や歯周病、顎関節への負担につながることもあります。
食べることや話すことに自信がなくなることで、人との食事や会話を避けるようになる方もいます。外出や交流の機会が減ると、身体活動や社会とのつながりが少なくなり、生活の質(QOL)の低下にもつながりかねません。
このように、「歯を失う → 噛めなくなる → 栄養や脳への刺激が減る → 全身の健康や生活の質が低下する」という悪循環が生まれる可能性があります。
だからこそ歯を失わないための予防はもちろん、もし歯を失ってしまった場合でも、入れ歯やブリッジ、インプラントなどで噛む機能を回復し、しっかり噛める状態を維持することが大切です。噛めるお口を保つことは、おいしく食事を楽しむだけでなく、健康でいきいきとした毎日を送ることにもつながります。
歯周病と認知症の関係
歯周病は、歯ぐきの腫れや出血だけでなく、歯を支える骨を溶かしてしまう病気です。進行すると歯がぐらつき、最終的には歯を失う原因にもなります。実際に、日本では
歯を失う原因の第1位
が歯周病
といわれています。
近年では、歯周病はお口だけの病気ではなく、全身の健康にも影響を及ぼすことが分かってきました。糖尿病や心筋梗塞、脳梗塞、誤嚥性肺炎などとの関連が知られており、さらに認知症との関係についても研究が進められています。
歯周病になると、お口の中で増えた歯周病菌や、炎症によって作られる物質が歯ぐきの血管から血液中に入り込み、全身を巡ると考えられています。こうした慢性的な炎症が脳にも影響を与え、認知機能の低下に関係している可能性が指摘されています。
ただし、現時点では
歯周病が認知症の直接的な原因であると証明されたわけではありません
。認知症は加齢や遺伝、生活習慣、持病などさまざまな要因が重なって発症する病気です。しかし、お口の健康を維持することは、認知症予防につながる生活習慣の一つとして注目されています。
歯周病は初期には自覚症状が少ないため、「痛くないから大丈夫」と放置されがちです。しかし、症状が現れたときには進行していることも少なくありません。毎日の丁寧な歯磨きに加え、歯間ブラシやデンタルフロスを使ったケア、そして定期的な歯科検診とクリーニングを受けることで、歯周病は予防・早期発見・早期治療が可能です。
いつまでも自分の歯でしっかり噛み、健康な毎日を送るためにも、歯周病予防を習慣にしていきましょう。
今日からできる認知症予防につながるお口の習慣
認知症は加齢だけでなく、生活習慣や全身の健康状態など、さまざまな要因が関係して発症すると考えられています。そのため、「これをすれば認知症を防げる」という方法はありません。
しかし、お口の健康を維持することは、しっかり噛む力を保ち、栄養をしっかり摂取することにつながるため、認知症予防の一つとしても大切です。毎日の生活の中で、次のような習慣を意識してみましょう。
毎日の歯磨きと歯間清掃(デンタルフロスや歯間ブラシ)を行う
定期的に歯科検診を受ける
歯周病を早めに治療する
よく噛んで食事をする(1口30回を目安に)
入れ歯は自分に合ったものを使用し、定期的に調整する
歯を失ったまま放置しない
お口の健康は全身の健康につながる
「噛むこと」は、単に食事をするためだけではありません。毎日のセルフケアと歯科医院での定期的なメンテナンスを続けることで、歯を長く健康に保ち、しっかり噛める状態を維持しやすくなります。
「
よく噛めるお口
」は、
おいしく食事を楽しむためだけでなく、健康寿命を延ばし、いきいきとした毎日を送るための大切な土台
です。
今日からできることを少しずつ取り入れ、お口の健康づくりを始めてみましょう。
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