2022.12.10
プラークの蓄積による炎症が原因でない歯周疾患のことを『非炎症性歯周病変』
という呼び方が使われ始めています。たとえば、低ホスファターゼ症は、遺伝子の変異により血中のアルカリホスファターゼ活性が低下して骨の形成不全を生じる疾患であり、乳歯の早期脱落はセメント質形成不全により乳歯と歯槽骨との結合が不十分であることに起因します。
乳歯が早期脱落した症例ではお口の中の型取りが可能になるころから、咀嚼や発音、審美性の改善のために小児義歯を装着します。低ホスファターゼ症は、予後不良の難病とされてきましたが、近年開発された酵素補充療法たいう治療法により患者さんの寿命やQOLが向上してきています。
早期発見が重要であり、疑われる症例はできるだけ早期に小児に直接紹介することが困難であれば、小児歯科専門医にご紹介いただくのも有効な手段です。歯だけにしか症状が出ない症例もありますが、歯科から小児に早期に紹介することができたおかげで、全身に生じていた骨の異常を早期に発見できた症例もあります。