2022.10.25
大きく二つに分かれます。今回はその一つをご紹介します。
子供の頃に原因不明の重度の歯周炎を発症することがまれにあります。子供の頃の歯周炎は、乳歯と永久歯のそれぞれに認められ、短時間のうちに歯槽骨吸収や歯の動揺を生じることが多いです。
子供の頃の歯周炎は全身疾患と関連していることがあり、遺伝性のものと免疫系に関連するものに分類されます。
遺伝性・・・家族性周期性好中球減少症、ダウン症候群、白血球接着能不全症候群、パピヨン・ルフェーブル症候群、チェディアック・東症候群、組織球症症候群など
免疫系・・・白血病、糖尿病など
これらの疾患をもつ患者さんは、小児科領域から紹介されて歯科領域でフォローすることが多いです。
全身疾患を有する子供は、病原性の高い歯周病菌が存在しなくても、歯周組織の抵抗性が極端に弱いために歯周炎を発症します。歯周炎の原因が全身状態に起因するため、歯周組織に対する治療で歯槽骨の吸収を抑えることは困難です。歯科医院ではスケーリングや抗菌薬の局所投与を行い、歯周炎の悪化を遅らせる必要があります。