2023.04.07
日本では早産・低体重児出産の割合が増加しています。その原因として、年齢、喫煙、飲酒、生殖器感染、痩せすぎなどがあげられています。そして、歯周病も原因の一つの可能性があると考えられています。通常の出産では、出産直前に子宮内の炎症性物質の増加により、赤ちゃんが通れるように子宮の出口を軟らかくしたり、子宮の収縮を促したりすることにより分娩を誘発します。
ところが、歯周病に罹っている妊婦の場合は、歯周組織で産生された炎症性物質が血液を介して子宮を刺激し、早産・低体重児出産を引き起こす可能性があるといわれています。
妊娠期には黄体ホルモンは月経周期ピーク時の約10倍、卵胞ホルモンは約30倍に増加します。血中濃度と同様に、唾液中の女性ホルモンも妊娠1ヶ月から上昇し、妊娠9ヶ月でピークに達すると報告されています。女性ホルモンの劇的な増加に伴い、歯周病原細菌が増殖します。
福岡市 早良区 小田部 院長 稲葉 健一郎